シオが何もいとわず、タオル1枚すら使わないことに、私は大きくうろたえてた。 だから、シオが服を着て戻ってきた時、すっごく安心した。 「お待たせー」 シオは洗いざらしの青いTシャツにジーパン。 全然気取ってない格好なのに、シオが着るとどんな服だってブランド物のように見えてしまう。 彼女のひいき目かもね。 「で?ナチ、どこ行きたいの?どこか行きたいとこ、あるんでしょ?」 「……ぁ、えっ……と」 まずい。 何にも考えてなかった。