猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜




シオが何もいとわず、タオル1枚すら使わないことに、私は大きくうろたえてた。


だから、シオが服を着て戻ってきた時、すっごく安心した。


「お待たせー」


シオは洗いざらしの青いTシャツにジーパン。


全然気取ってない格好なのに、シオが着るとどんな服だってブランド物のように見えてしまう。


彼女のひいき目かもね。


「で?ナチ、どこ行きたいの?どこか行きたいとこ、あるんでしょ?」


「……ぁ、えっ……と」


まずい。


何にも考えてなかった。