付き合うきっかけは、 シオの告白だった。 その日シオは、いつもはラフにセットしてある髪をピタッと撫で付け、 なんとスーツでやって来た。 「こんにちは。今日、何かあったんですか?」 ピッ ピッ 私はてっきり、友達の結婚式か何かに出席したんだろうと思い込んでいた。 そうでもなければ、こんな仰々しい格好はしない。 「僕と、付き合ってください」 告白はいきなりだった。 公衆の面前で。 今レジを打ったばかりの100円ガムを私に握らせ、 駄目押しの「好きです」