「ねえ」美琴が男を呼び止めた。

「何ですか?」

「可愛いかしら、その子」

「たぶん。可愛いと思いますよ。なんてったって、姉の子ですから」

「まだ、見てないの?」

「時間が合わなくて」

「早く見てあげなさいね」

「なぜ?」


「この世に絶対はないからよ」


「そうですね。そうします」

「じゃあね」

「お元気で」


「がんばるわ」

そう、些細な、そして少し変わった会話をして二人はわかれた。