セミロングで真っ直ぐな黒髪にブレザー型の制服を纏い、背筋をぴんと伸ばして座っている。
視線は壁にはめ込まれたステンドガラスの向こうにあった。
たしかあっちは……眞教授の部屋か?

俺に気づいたのか、彼女は振り向いた。




「あら、三日ぶりね」




その声は、あの声と、全く同じで。
話し方も同じで。
俺は一目で、「ああ、モルトか」と分かった。

「相変わらず、気だるそうねぇ」

「年上に向かってその言い方は失礼だな」

「はははっ年上?貴方が?はははっその言葉、そっくりそのまま返すわ」

どういうことだ?
俺のが年下だって?

「ふざけんな」