ならばそんなことよりも……。

(モルトって、高校生だったってのか!?)

ってことが今日一番の驚きだな……。
それにしても、

「また会おうってどういうことだ?」

むう、と一人考え込む。
すると美琴が声をかけてきた。


「ねえ、そろそろ閉めるけど。いいかしら?」


「あっはい」

それで頭が切り替わり、すぐに(ま、いっか)という結論に行き着いた。

外に出る。

紅く染まる空はなんとも美しい。
そんなことを考えていたものだから、【人生の分岐点】という現実が忍び寄っていることに気が付かなかったのかもしれない。