「……」


オレはケータイを取り出した。

そしてチャットを開く。


良>K、悪いけどもうお金必要じゃなくなった。


Kから返事が来る。


K>どうして?あんなに欲しがってたのに。

良>いろいろあって…だからこのお金返したいんだ。

K>そのお金は良くんにあげるよ。

良>え?

K>それも誕生日プレゼントにするから好きに使ってよ。


オレは何も迷わずに答える。


良>いらない。

K>どうして…!?

良>もうオレには…お金より大切なものがあるから…


そう書き込んでケータイを閉じた。

オレは、清々しい気持ちで前へ歩いて行った。