まず親父が勤めている会社へ向かった。

辺りは薄暗く、親父やほとんどの人が会社にはいなかった。


「くそっ…!」


汗を拭ってまた走り出す。

次に向かったのは、夜の店が並ぶ場所。

このへんは詳しい。

毎晩のように遊んでいたからだ。

一件一件居酒屋を探す。

その度に酒とタバコがオレを誘ってきた。


「…ここにもいない。どこにいるんだよ、親父…」


オレは誘惑を振り払い、居酒屋を出た。

その時だった。