「あーうるせぇよ!とにかく行くから」

「良!待って!」


出ようとするとおふくろが腕にしがみついてきた。


「行かないで!良までいなくなったら私…」

「ウザイんだよ!」


オレは振りほどいて玄関のドアを開けた。

おふくろはへなへなと座り込む。

泣いているようだった。

何度もオレの名前を呼ぶ声が小さく聞こえた。