「…まずその手を離してもらおうか」


低い声で命令される。

私はそれでも手を離さない。


「その手を離せ!!」


いきなり叫んだ。

体がビクリとする。

私は言う通りにするしかなかった。

ゆっくりと手を離す。


「…どうして…?」

「……」

「どうしてこんなことするの?Kさん…!」


勇気を出して言葉を発する。

心のどこがで思っていた。

Kはこんなことする人ではないと。