「分かんないなら、言わないでよ。あたしだって…。」

『分かるよ。』

「分からない!」

『分かってる。川辺のこと、見てるから。』

それは、先生として?

「あたしにだってっ…、悩み事とか不安なこと、あるよ…。それなのに、みんな切ることが、おかしいことだって思ってる。」

『切って死ぬ人も、いるんだぞ。それで川辺が死んだら、みんな馬鹿な事だって思うよ。』

あたしが死んだら、みんなはなにも変わらない。

『だから、もうやめろ。みんな心配するぞ。』

誰もあたしを心配する人なんか、いるわけない。

『綺麗事とか、言おうとしてないけど、切るのは自分を傷付けようってしてるんだら?だったら…。』

「ほら、なにも分かってない!あたしは、そんな理由で切ってるわけじゃない!」

捕まれた腕を払い、勢いよく車から降りた。

分かってない、誰も。