罪や責任をおって、生きるよりか、罰を決めて傷ついた方がいいと思った。

でも誰も分かってくれないから。

ピロピロン


【受信メール】

―芭菜さん

あんたん家の前に着いた。

今から入る。
出ろよ、絶対に。


最近登録したばかりの、芭菜さんのアドレス。

ピンポーン

鳴るインターホンに、お母さんはスリッパをすりながら走る。

かすかに聞こえるお母さんの声と、芭菜さんの声は、何か戸惑っているような――

コンコン

『川辺、うち。』

ゆっくりドアを開けると、いつもの芭菜さんがいた。

『入っていい?』

小さく頷くと、プリントをあたしに突き出した。

『ドアの前にあった。』

芭菜さんの顔を見るなり、泣き崩れてしまった。

「あたしっ…、健が…、好きだったのっ、にっ…!それに…っ、学校もっ…。」

芭菜さんは、ただあたしの背中をさすってくれるだけで、何の文句も言わなかった。

傷を見るまでは。

『川辺っ、これなに!?』

掴まれた腕は、カッターで切った後がついていた。

傷の端を触っている、芭菜さんの綺麗な手にも、あたしの血はべっとりついている。

『これ、なんだよ!』

芭菜さんの顔は、これでもかと言うほど、怒っている。

「あたしだって、どうすることもっ、出来なかったの!」

『だからって、傷付ければいいって問題じゃねぇだろ!』

「分かって欲しかったっ…!誰も、あたしのこと分かってくれないのに、まだそうやって追い込む気!?」

『こんなことして…、死んだらどぉすんだよ…。』

芭菜さんの涙は美しく、あたしを潤してくれた。

「もう、止められないから。」

『川辺、さっき学校行きたいって、言ったよな?なら…、来いよ。うちが守るから。』

“うちが守るから。”

あたしは、芭菜さんに会いたくないって思っていた。