もう健も、風も清水さんも、芭菜さんにも会いたくない。

もう人に触れたくない。

冷たく、刃をむいたみんなは、一人浮いたあたしを敵に動く。

「そんなとこ、行くわけないじゃん。」

もう誰も信じられなくなった。

コンコン

今日はドアをノックされたのが、何回目だろうか。

「誰?」

『風だけど…。』

「何?」

『今日、終業式だったから、色々持ってきた。』

「ドアの前に置いといて。」

『うん…じゃぁね…。』

優しい風は、あたしを知らない。

思い出せない記憶は、きっとあたしのせいだった。

あの日あの時、あんなことがなければ、風は風のままだったのに。