―次の日

『あかり…。今日、学校は?』

「行かない。」

眠りにはついたが、結局睡眠時間は少ないまま、明るい朝を迎えてしまった。

お母さんは、あたしにそれだけ聞くと、足音を遠退きながら、階段を降りて行った。

学校に行ったら、また見られる。

健からやり捨てされた女として。

寝返りをうったと同時に、あたしの頭にケータイが触れた。

思い出したかのように、電源を入れると、沢山のメールがボックスに入っていった。


【受信メール】

―清水さん

だけど、教えてやるよ。
別れた気でいる。
どうすんだよ。

―清水さん

今日学校休んだ?
休んだなら、話したい。
柳川町のカフェで待ってるから。


柳川町は、隣の町で知ってる人もそう多くない。

「行こっかなぁ……。」

迷っている内に、メールの時刻が過ぎてくる。

急いで用意をして家を飛び出した。

「清水さん!」

柳川町のカフェは、一つしかない。