「一緒行こっ!」
『あっ、ごめん。あたし、急がなきゃだから…。』
何かある、そう感じた頃、風は同じ道の向こうを小走りで向かっていた。
あたしは、周りの痛い視線を交わしながら学校に入った。
その後、教室に入っても痛い視線は刺さるばかりで、授業が始まった。
ガラガラ
授業が始まって30分くらい経ったとき、後ろのドアが開いた。
そこには、健の姿。
振り向いたあたしは、健とばっちり目が合った。
だけど、健は気まずそうな顔をして席についた。
『ほら、遅いぞぉ。』
先生の話など耳に入らないくらい、健のことでいっぱいだった。
キーンコーン‥
終わりのチャイムと共に、鞄を握って教室を飛び出した。
痛い視線、健の態度がもう耐えられなかった。
『帰んの?』
後ろから声がして、振り向くと長い髪の毛にケバい顔の子がいた。
「そうだけど…。」
確かこの子、同じクラスの清水なな。
『あんたさぁ、健太郎にやり逃げされたわけ?』
「やり逃げ?」
『噂で聞いたよ。仲良かったのにねぇ。』
「はっ?意味分かんない。」
『あんた、やったんだろ?それで別れたって聞いたんだけど。』
「あたしと健が?」
『うん。』
あたしと健が、別れた?


