「……帰る。」 『え、もう?』 「当たり前でしょ。」 『冷てぇな。もうちょい、相手しろよ。』 するとタツは、あたしの腕をがっしりと掴んだ。 「嫌だっ!離して!」 『何だよいきなり。もぉいいよ、帰れ。今日のことは、出任せに言っとくから。』 ようやくタツは、腕を離してくれた。 『じゃあな。』 タツの言葉も、耳には入らず、下を俯いていた。 力の入らない手をひらひらと振った。 『あ、おいあかり!友達はいいのかよ!』 風…。 いいわけない!