『まず、ご飯食べる?』

「そうだねぇ。」


風の私服は、いつもモノトーンで、大人っぽかった。


『うんま!何これ〜!』

風は、パスタを口に美味しそうに入れながら言った。

「これもうまいって!」

あたしが、自分のパスタを指差すと、横からフォークが入ってきた。

『あっ、うまぁ〜!』

「でしょ?」

『うんっ』



その後あたし達は、プリクラを撮ろうとゲームセンターに向かっていた。

『ねぇ、お姉ちゃん達高校生だよね?』

風と歩いているせいか、ナンパが今日で3回目だ。

その度返している言葉。

『ごっめーん!今度さぁ、見かけたら声かけるわぁ。』

あえて、仲良いふりをする作戦。

これは、ナンパに慣れている風が教えてくれた。


やっとの思いで、ゲームセンターに着いた。

押という文字が書いた、ドアノブのようなものを押すと同時に、ゲームセンターらしいうるさい音が、耳の中にこだまする。