一ヵ月後―― ピンポーン 『あかりぃ!』 「今出る!」 バッグにケータイを入れて、玄関へ急いだ ドアの向こうには、風が動いてるのが、スモークガラス越しに見える。 ブーツに足を通して、勢いよくドアを開けた。 ボコッ 『痛っ』 「あっ!ごめん!」 風は、ドアが腕に当たって痛そうにしている。 『行こっか』 「うんっ」 今日は、風と買い物に行く予定だった。 『服と〜、バッグと〜、ペンと〜…。超買うつもりだし。』 風はどことなく嬉しそうだった。