『…っていうかさっ、あの〜橘くん?ってあかりの彼氏なの?』
風は疑問に溢れた目で、あたしを見つめていた。
「あ〜健はそんなんじゃないよ!幼なじみ?ってやつかな。」
『そうなんだ…。』
「紹介しようか?」
『あたし、彼氏いるんだよねぇ。その彼氏、束縛がひどくて…。前あたしと喋った男の人を、病院送りにしたくらい。』
風の新たな現実に、あたしは耳を傾けた。
驚いて声が出ない。
『だから、橘くんがそうなったら、可哀想じゃん?』
「でもさっ、学校内だったらその彼氏さんも分かんないんじゃない?」
『大樹…、彼氏の友達いっぱいいるから…。』
風は不審そうに、教室を見渡した。
「風も大変だね。」
『でも、彼氏のこと好きだから…。』
「惚気んなっ」
『惚気てないしぃ〜!』
あたしと風は、1ヶ月で、家に遊びにくるくらい仲良くなった。


