教室について、机に鞄を置くと、視線を感じて顔を上げた。
周りを見渡すと、鳴原さんがあたしを見ていた。
『おはよう。』
「あっ、おはよ!」
鳴原さんに声をかけられて、動揺したのか声が妙に大きくて口に手を当てると、クスクスと鳴原さんが笑った。
『あたし、鳴原風っていうの。』
風ちゃんの目が、あなたは?と訴えていた。
「あたしは、川辺あかり!あかりって呼んでねぇ。」
『あかりね。あたしのことも、風って呼んで。』
風は、クール美人みたいな印象だったけど、よく喋る子ですごく気があった。
『このクラス…、何か怖いよねぇ。』
風がバツの悪そうな顔をしてこそっと言った。
「確かに。」


