『でも遠いしね。あ、黒川に送ってもらう?』
「いいね!早退とか言って。」
『とか言えば、黒川発見ー。』
向かいの廊下を、黒川先生が歩いている。
『捕まえてこよう!』
ななから手を引かれて、廊下を走る。
あの時、あたしは先生を何も分かってない人扱いをした。
本当は分かって欲しかっただけなのに、素直になれないあたしはまたこうして、人との繋がりを恨む。
『ねぇ、先生ー!』
『あ、おぉ。清水達なんでここにいるんだ?』
『あたし達具合悪くてさ、あかりの家まで送って欲しいんだよね…。』
『でも川辺の家は近いだろ?』
『遠いよ!』
『そうか。なら駐車場に入ってて。先生が早退手続きと鍵取って来る。』
先生はあたし達を背に、急ぎ足で廊下の角を曲がって行った。
『案外楽勝じゃん。』
『確かに。』


