『あかり、おはよ!』
朝、玄関で会った健から背中を叩かれた。
「いった!…って健かぁ。おはよぉー…。」
『なんだよ、俺と会ってそんなに嫌か?』
「うん、嫌だ。今日は運悪いだろーなー…。」
『はっ?お前ふざけんなー!』
『川辺、橘、おはよう。』
声をした方を見てみると、当然のような笑顔を浮かべて黒川先生が立っていた。
「あっ…、先生おはよ。」
動揺するあたしを不審そうに見る、健の目線を交わして、靴箱まで急いだ。
昨日の今日だから、なんか変な感じだった。
『どぉしたんだよ、黒川になんかされたか?』
「はっ、健のバカ!」
『バカはお前だし。』
こんな健をあたしは、大好きだった。


