真剣な眼差しに、固く握りしめられた手。
俺は真面目な話だと思い、耳を澄ませた。

「ドルガーは、エルディアブロの皆が作れるものではありません」

「‥作る? 勝手に出来るものじゃねぇのか?」
俺の部屋にドルガーが現れかけたのは、
俺の気持ちが影響したからだろう?

そう問えば、アメスは小さく首を振った。
また、遠くの方から曲が聞こえてくる。

「‥それは、私が傍にいたからなんです」
ドルガーは私の能力で、ドルガーを作れるのは
私一人だけです。
私がああいう気持ちを持った人の傍にいれば
ドルガーが出来て、気持ちの源となった人を喰らう。
「‥でも、そのドルガーを操ることは出来ます」
それでも私は気持ちが人間に傾いている事を
出来るだけ悟られない様に
ドルガーにエル・ディアブロ全員の言う事を聞く様にしています。

「‥じゃあ、最近ドルガーの動きがおかしかったのは‥」

「私が、命令したからです。貴方が隣町の森に行った時が初めてですよ」

「じゃあ、俺が感じた気配って‥アメスだったんだな」

静かに頷くアメスは、城の中を覗いた。
皆が楽しそうにしている様子を見ながら、
何か思い詰めた顔をする。

「セレスさん。このお城に来ている殆どの人たちは、」



ドルガーです。



「何!?」

「‥きっと今から、ドルガー達が暴れ出すでしょう」
でも、 邪魔しないで下さいね。