secret WISH




アメスの事を気にしながらも
任務を遂行する為に、俺は10人程女性と踊った。

「セレスー、どう?何か情報訊けた?」

「‥‥何も」

「セレスくん、何か怒ってる?」

「‥別に」


リビアンからネックレスを貰ったと喜んでいるモルダ。
俺の気分は今、こいつとは正反対だろう。

壁に寄り添って、踊っている人たちを見るが
見えるのは黒いドレスを着ているアメスのみ。
‥と言いたいところだが、アイツが邪魔をしている。

この前うちの街で見た、ホワイトスモーク野郎‥
アメスの頬にチューしやがった奴ーッ!!

怒ってはないけど、イライラすんだよ。
アメスが俺以外の奴とくっついてんの見ると!!
‥なんか俺、妬いてばかりじゃねぇか。
こんなんだとアメスに嫌われるな‥‥。

俺はふるふると頭を振って、
テーブルの上に置かれたグラスを取った。
匂いでアルコールが入ってない事を確認すると、
それを一気飲み。

アメスは俺の事好きだって言ってんだから、
きっと大丈夫だ!

そんな事より
どうしてアメスとあの野郎が此処にきたのか考えよ。

もう一杯飲もうとグラスを手にとって
俺は周りに目をやった。

もしかしてドルガーが潜んでいるのか?

と、暗い所を見るが何の気配も無い。

‥だよな、こんなところに悲しみや恐怖を持った人は来ねぇだろ。
まぁ、憎しみを持った奴はいるかもしれねぇが。


「セレスさんッ」

俺を呼ぶ声に顔を上げれば、アメスが目の前にいた。
ずっと後ろの方で、アメスを探すアイツがちらついて見える。

「‥いいんか?アイツが探しているぞ」

「お、怒ってます?」

「‥‥怒ってない」

「嘘、怒ってます」

「怒ってねぇよ」

「私が怒ってるんですッ!」


急に腕を引っ張られて、
俺は慌ててテーブルの上にグラスを置いた。