俺と同じ様にイヤリングを手にとって、武器化する。
それを兄貴は、アメスにゆっくりと向けた。
俺は武器を杖の代わりにしながら、アメスの元へ。
体から黒い螺旋を出しながら、
アメスは拘束される光に耐えていた。
兄貴の武器からアメスをかばう様にして
そっとアメスを抱きしめる。
ジリッとジャケットが焼ける音。
直ぐに光は俺の皮膚に到達した。
アメスを拘束する光は、こんなに痛いものだったのか。
「止めろ、アメス‥」
ぐっと手に力を込めて、アメスの体を抱きしめた。
「離れ、て‥、貴方は私みたいに特別な力は無いから」
痛い、でしょう?
目に涙を溜めて、アメスは囁いた。
その時アメスに身体を強く押され、俺は体制を崩した。
「‥っ、兄貴ッ!!」
兄貴がアメスを切りつけ、
俺は咄嗟に武器を手にした。
「止めろぉッ!!」
「っ、邪魔するなセレス!!」
武器の端で体を押されて、俺は床にうつぶせられた。
ガツンと兄貴の手が俺の頭を押さえつける。
「こいつはエル・ディアブロ。倒しべきモノなんだよ!!」
「それでもアメスは俺の大切な人だっ!!」
武器を大きく振り回して、兄貴の武器を飛ばした。
そのままの勢いで足を回転させて
兄貴の手を振り払うと、形勢逆転。
兄貴を押さえつけて、首筋に刃を構える。
「いくら兄貴だからって、」
アメスを傷付けるなら容赦しねぇ‥ッ!!
「あ~ぁ、馬鹿馬鹿しい」
“守り師”は大きく欠伸をすると、アメスへ近づいた。
「あのね、君は人間。この子は世界の敵、エル・ディアブロなんだよ?」
いくらこの子が大切でも、君はこの子を幸せに出来ない。
2人が一緒にいる場所なんてどこにもない。
「そんな事くらい、分かってるでしょ?」
‥そう言われると、何も言い返せなかった。
俺たちが2人でいる事は、本当はあってはならない事。
本当に、そうなんだろうか。
俺はこんなにも、アメスが好きなのに。

