俺のパンを一千切りして奪ったオニキスも、資料を覗き込む。
尻尾を振りながら、じぃっと資料を見つめている。
「‥お前、読めんの?」
いや、書けるから読めるか?
そう思った瞬間、オニキスはガブリと噛みついた。
手に持っていたパンではなく、資料に。
「わああぁぁぁあ‥ッ!!何してんだお前ぇぇぇ!?」
もしゃもしゃと動かされる口の中
見る見るうちに紙が消えていった。
全て。
「‥食った?紙食った?」
コクコクとオニキスは頷くと、二カッと笑って見せた。
「それは食べ物じゃねぇよ!!」
って、問題はそこじゃない‥ッ!
おいおい、資料無くしたなんて言って
爺さんにもう一度書いてもらうなんていう
そんな失礼なこと出来ねぇぞ‥。
もひもひと次はパンを食べ出したオニキスに
俺は泣きたい気分になった。

