「御疲れ様です」
いつもより低い声を出して、俺は2人に話しかけた。
大丈夫だよな、バレないよな‥?
「君もエル・ディアブロに興味があるのか?」
「あぁ、まぁ‥そんなとこ、ろッ!!」
ガッと一人を蹴り上げると、隣の奴が小さく悲鳴を上げた。
お前らなんかにチャロに触られて堪るか!
蹴り上げたコイツは、よっぽど場所が良かったのだろう。
即、気絶。
俺に掴みかかってくるコイツは、武器を出す気配はない。
クラーヂマンじゃあねぇな。
腹にパンチを喰らわせると、これまた即気絶。
ちゃーんと、鍛えましょうね。
『いや‥っ』
がたんっというもの音と、聞こえたのはチャロの声。
俺はドアを躊躇い無く押しあけた。
「なんだお前。まだ呼んでないぞ」
チャロを押し倒している体勢のそいつは、俺に動じることなくそう言った。
見張りの奴と同じ格好だからか‥。
部屋の中にも見張りは2人。
というより、今はチャロを押さえつけるのを手伝っているが‥
俺は何も言わずに、3人に近づいた。
そして見張りの2人をやんわりとチャロから離すと
一遍に回し蹴りを喰らわす。
「ぐぁ!!」
「‥っ!?」
「な、なんだ貴様!?」
いい歳したおっさんが、こんな趣味悪ぃことして‥
「この‥っ」
飛びかかってきた一人を押さえつけ、
そのまま倒れているもう一人の上に投げつける。
下のヤツはうちどころ悪かったようで、泡を吹いていた。
上の奴もぐったり、良い気味。

