あぁ、今思えば。
記憶の隅にいた短い髪の女の子は、チャロだったのだろう。
何故俺の前から消えたのか、問い詰めてやる。
“ごめんなさい”
何で、傍にいなかったのか。
納得のいくまで説明して貰わねぇとな。
“ごめんなさい”
俺、別に怒ってるわけじゃないぜ?
だから‥泣くなよ。
“ごめんなさい”
あ、この香り。
チャロの付けている香水って、あの白い花の香りだろ?
確か、カモミールっつったっけ。
花言葉は‘逆境に耐える’。
俺は全部忘れたから耐えるも何もなかったけど‥
お前は、沢山耐えることあったんじゃねぇ?
それと、まだあったな。
カモミールの花言葉。
トクン。
‥あ?
心臓の音が
トクン、トクン。
大きくなった?
俺、まだちゃんと生きてんのかな。
ちゃんと、チャロに言いたかったこと、
言いたくなったことも全部
伝えれるか?
“貴方の命は私のモノ”
花言葉は‥
“絶対に死なせない”
‘あなたを癒す’