『手紙が届かなかった後からだな』
パリスとの結婚前夜。
ロレンスからもらった薬を飲み、ジュリエットは仮死状態になった。
翌朝キャピュレット家は大騒ぎになり、婚礼の式は一転して葬式となる。
マンチュアでジュリエットの死を聞いたロメオは、
毒薬を手にヴェローナにあるジュリエットの埋葬場所へ向かった。
墓で鉢合わせしたパリスを殺した後、
ロメオは眠るジュリエットに口づけをして、毒を飲んで命を落とす。
目を覚ましたジュリエットはロメオの死体を見つけて、
絶望のあまりロメオの剣で自分の胸を刺して死んだ。
2人の身を案じて墓にやってきたロレンスは、
大公に全てのいきさつを打ち明ける。
ロメオとジュリエットの愛を知ったモンタギュー、
キャピュレット両家は2人の像を建てることを決めて、和解した。
『‥わかい?』
『仲直りって意味だ』
本から顔を上げたチャロは、泣きそうな顔をして言った。
『ふたりともしんじゃったの?』
『‥あぁ』
『どうして?』
『それは‥大切な人が死んでいるのを見て、自分は生きていけないって思った、から‥?』
『てんごくにいっても、あえるかわからないのに?』
『‥たとえ会えなくても、そこにいるのがつらかったんだよ‥たぶん』
『かなしいおはなしだね』
『そうだな』
パタンと本を閉じると、何だか虚しさが込み上げてきた。
これ読むんだったら、そこにある人魚姫を読んだ方が
マシ多少はだったんじゃねぇかな‥。
『わたしだったらね、いきるよ』
『‥え?』

