『ええ、迷惑で我が儘言っている事は分かってるわ』
『チャロちゃんにはこの事言ったのか?』
『‥いや、まだ、言っていない』
何か、深刻な話っぽい?
楽しそうに話しているわけじゃないし
暫くって‥‥
『もしかしたら、暫くじゃなくて一生になるかもしれないから』
‥い、一生?
『いっしょうって‥、ずっとだっていういみ?』
『チャロ!?』
部屋で寝ていた筈のチャロの声がして。
俺は思わず大きな声を出してしまって、手で口を塞いだ。
ヤバ、絶対バレた‥。
開かれる大広間の扉を見上げれば、ベニトおじちゃんと目が合った。
『もう遊び終わったのかな?』
『あー‥まぁ、はい』
曖昧に返事をすると、中に入る様に言われた。
俺は妙にドキドキしながら入ったが、
チャロは何処かへ駆け出してしまった。
『チャロ‥!』
ベニトおじちゃんが追い駆ける。
『‥あ、あのさ、今の話‥どういう事?』
『そうね、セレスくんにも話しておかないとね』
『ガキに余計な事教えなくていいって!』
『でも、セレスくんにも迷惑が掛る事じゃない』
『私たちは迷惑なんて思ってないわ』
『セレスくんはいつか、迷惑だって思うかもしれないでしょう?』
ルベおばちゃんは父さんと母さんの意見を押し切って
俺を隣に座る様に促した。
『‥今から大事な話をするから、聞いてくれるかな?』
『は、はい』

