僕は図書館を後にし



教室のある四階へ駆け上がった。



さっきまで笑い声が聞こえていた教室が



とても静かで、そして少しだけ寂しい空間に変わっていた。



古びた白いカーテンが無造作に閉められた教室の窓からは



オレンジ色の夕日がカーテンの隙間からこぼれて



うっすらと教室をオレンジ色に染めていた



誰かが閉め忘れたベランダの入り口は



開けっ放しにされていて


カーテンは春の夕暮れの少しだけ冷たい


心地良い風に吹かれてなびいていた。



そこに君がいることも知らずに



僕はベランダに出たんだ。



『やっぱスゲー気持ちいいじゃん』



誰もいないのに僕は独り言を言っていた



街から少し離れたこの高台にある高校は



街を見下ろすには最高の場所



左手には海を見れて、右手には山があって緑も豊富



中央には僕の街が見える



区画整理で綺麗に整えられた住宅街の屋根はオレンジ色に



染められて


全てを夕日が包んでいた。



その時突然・・・・・・