そんな僕の反応を楽しみそうに奏では楽しそうに見つめていた。


変な奴。



あっという間に日は落ちてそろそろ下校時刻



『奏、帰りは電車か?』



『うん電車だよ。楓わぁ?』



『今日はチャリ。んじゃまた明日な気をつけて帰れよ』



『うん。楓もね。また明日』



僕は奏にさよならを言うと同時に



ヘッドフォンを耳にはめて



自転車を漕ぎ出した。



朝聴いてきたブルーススプリングスティーンが



相変わらず鳴り響いていた。



角を曲がるときもう一度



校舎を振り返ると



奏がまだそこにたって



僕を見送っていた



“あのバカ。電車乗り遅れるぞ”



って思いながら


僕は振り返るのをやめ



自転車を走らせた。


耳からは“明日無き暴走”が鳴っていた。


でも僕にはきっと明日はあるだろうと思いながら