『奏で良いよ。みんなそう呼ぶし』



君は笑顔でそう答える



『そしたらワタシもカエデって呼んでもいい?』



『別になんでもいいよ。気にしないし』



僕は相変わらず緊張していた。



いつもならこんなにそっけない態度取らないのに



君は僕の気持ちを乱していく



さっきまで気持ちいい春の風が



僕の胸を熱くさせていった。



『ここ気にいったか?』



『うん。すっごく。だってさ綺麗なんだもん。海も山も街の景色も』



俺も同じ事思ってた。この街にこんなに綺麗な景色があるなんて知らなかったんだ



『俺も気に入った。夕焼けってこんなに綺麗だったんだなって。一人でここにいたの?』



『ううん。ちょっとね』



答えになってねーよよ思いつつ僕はまた街を眺めていた



『楓はずっと一人でいたの?』



君は僕の反応を確かめるように見つめていた。



図書館で一人でぼーっと本を読んでたのは言わないことにした。



なんか暗い奴に思われたくなくて



『俺もちょっとな^^笑』