「はぁ…」



大きなため息をつき、



あたしの背中をポンッと押してきた先生は、



「俺は、自分のモンにはあの香りって決めてんだよ。」



「え?」



少しだけ前のめりになりながら後ろを振り返るあたしを見つめながら意味深な笑みを浮かべた。



「俺の好きな香りは、お前の香り。わかったか?」



「へ?」



ベシッ!!



「ったぁ~いっ!!」



そして無防備なあたしのオデコに再びデコピンした先生は、



オデコを押さえるあたしを見ることなくバタンとドアを閉めた。





fin...