でも…



「う……ん…」



「あ?聞こえねぇな。」



今のあたしならハッキリと言える。



「あたし…デス…」



そう。



さっきまでのあたしとは違うから。



それに、さっきみたいに先生の瞳を見ながら言うわけじゃないし…ね。



「だな。」



「うん。」



あたしは肩を掴んでる先生の指先に触れながら小さく頷くと、



「先…生…?」



「あ?」



「あたしも答えたんだからさ…先生もあたしの質問に答えて?」



俯きながら訊ねかけた。



ホント、大したことじゃないんだけど…さぁ…



なんか気になる…し…



さっき、スルーされちゃった…し…



ついでだから…



「なんで…なんであたしに“洗ってこい”なんて言ったの?」



あたしは先生の返事を聞くことなく質問をぶつけた。