白衣の悪魔に首ったけ

あたしは先生の白衣に顔を埋めながらギュッと抱きしめた。



白衣からはほんのり甘くて…



先生っぽくない香り。



そう。



あの女の人の香り。



でも、



こうして抱きしめてみると…



こうして顔を埋めてみると…



襟元からは仄かに先生の香りがして…



瞬間、この白衣を着て先生が1日仕事してたんだって改めて実感したあたしは、さらに強く白衣を抱きしめた。



いくらあの女の人の香りがしても、



この白衣は先生の白衣。



毎日、これを着て仕事してて…



毎日、体調の悪いコ限定で優しく接してて…



そんな先生を目の当たりにしちゃった時なんて、



ちょっぴり…



いや、かなり嫉妬しちゃうけど…



あたしはそんな先生だから…



そんな優しい先生だから恋に落ちた。



厳しくて、イジワル。



でも…



体調の悪いコ限定で優しい。



先生が白衣を着てたから…



あの時、



あたしに触れてくれたから…



あたしに優しくしてくれたから…



あんなに嫌いだった先生に、



あたしは一瞬で恋に落ちた。