白衣の悪魔に首ったけ

「ねぇ…」



「ってかさ…」



「ん?」



言いかけたあたしを遮り、



あたしの腕の中の白衣を指差した先生は、



「こんな甘ったるい香り…俺…嫌いだし…ってか、ぶっちゃけ、アイツ…ハジメと同じ香りなんてキモいし…お前、洗ってこいよ。」



「えっ…?」



「もちろん、アイロンもピシャっと掛けんだぞ。俺の白衣に皺なんか残してみろ…またデコピンしてやるかんな。」



「デコ……えぇっ!!」



あたしの頭をクシャクシャっと撫でてきた。



“洗ってこい”って…



白衣を…だよね…?



“アイロン”って…



先生の白衣を…



だよ…ね…?



先生の大切な白衣を…



あたしが…



先生がいつも着てる白衣を…



あたしが…



………



「ウソ…だ…」



先生の白衣を洗えるなんて夢みたいで…



ってか、先生のコトバが信じられなくて…



あたしは自分の右頬をムギュッと抓った。



「痛い…」



痛い…



ってことは…



ムギュ!!



「いだぁ~いっ!!」



「夢なわけねぇだろうが。」



うん。



夢じゃないっ!!



先生に反対のホッペタ抓られちゃったけど、



スゴく痛い…けど、



本当のホントに夢じゃないんだっ!!



あたし…



先生の白衣を…