白衣の悪魔に首ったけ

「えっ…と…なん…で…」



真っ白な白衣から覗くのは、



少しだけ不機嫌そうな先生の横顔。



「“なんで…”って、お前…」



真っ白な白衣の隙間から覗くのは、



呆れてるのか…



目を見開くあたしを横目に頭を抱えながらガクッと肩を落とす先生。



「えっと…」



なんで…?



なんで分かったんだろ…?



あたし…



白衣が“嫌だ”なんて一言も言ってない…のに…



………



なん…で…



あたしは被された白衣を膝の上に下ろし、



ギュッと握りしめると、



先生を見上げながら首を傾げた。



「はぁ~」



すると、本日何度目か分かんないぐらいついたため息の中で、



一番盛大であろうため息をついた先生は、



「お前…わかりやすすぎなんだよっ!!チラッチラッ、チラッチラッ…白衣ばっか見てきやがって…。気に入らねぇなら“気に入らねぇ!!”って、ハッキリ言いやがれっ!!」



ベシッ!!



「…っぅ!!」



あたしのオデコをベシッと叩いてきた。