白衣の悪魔に首ったけ

「んだよ…」



「えっ…と…」



「言いたいことあんならハッキリ言えよ。」



「…っと……」



「はぁ…お前の口は飾りか?聞いてやっから言えよ。」



「………」



目の前には軽くイラついてるのか眉間に皺を寄せながらチッと舌打ちする先生。



“言いたいこと”…



ある。



ある…よ。



でも…



あたしはチラッと先生を見ると、白衣を凝視した。



白衣の香りが“嫌だ”とか言ったら、



あの女の人の香りだから“嫌だ”とか言ったら…



“ウザい”って思われない…かなぁ?



彼女でもなんでもないのに…



そんなこと言ったら…



ワガママ言ったら…



嫌われ…ないかなぁ…?



先生…



“聞いてやる”って言ってくれた…けど…



………



やっぱ、



怖い…よ…



嫌われるぐらいなら…



言いたくない…よ…