胸の奥が…



苦しい…



上手く息が出来ない…



気持ち…



悪い…



昨日の光景が頭ん中をグルグルと駆け巡ってて…



ちょっとでも気を抜いたら涙が零れ落ちちゃいそう…



痛い…



痛い…



よぅ…



5時間目の体育の授業を受けながら、



いや、さっきからテニスコートから少し外れた場所で膝を抱えて座り込んでるから…



真面目に受けてるかどうかといえば・・・なトコなんだけど…



あたし、坂下 杏奈は夏の余韻を残すまだまだ暑い9月の秋空の下、



掛け声をかけながらテニスを楽しむクラスメイト達を見ることなく、



息苦しいような…



胸の奥がつっかえるような…



そう…



いわゆる“恋の痛み”と戦っていた。