「えっ?」


中山の話によると、戦争の被害を受けているのは東京だけらしい。

他の地域には爆弾もミサイルも落ちていないとの事。

だから、あたしと一緒に他の地域に移動しようという事だった。


「断るよ。」

「えっ?」

「だってあたし…家族を置いてけないよ!ううん、家族だけじゃない。みんなも置いてけない!!」

「あーそうかよ。じゃ、俺一人で行くわ。…死なないように必死に逃げ回るんだな!!」


そういうと中山は走り出した。

皐は溜息を付いた後、中山の分のダンボールも持って目的地に向かった。