例えばここに6本の道があるとする。



大人達はその道の3本にしか気付かない。



子供にはちゃんと見えている。



だが、それを見ようとしない。



終いには、子供の見たモノを否定までする。



大人自ら逃げるを選択し、子供にも逃げるを選択させている。



大人は少しばかり焦っている。



やっぱり外側が気になるのだ。



子供は内側を気にし、大人は外側を気にする。



するとやはりズレが生じる。



どうして大人になるとまっすぐ受け止める事が出来なくなるのだろう。



そして、皐は徐々に怖くなっていたのだ。



自分が大人になって行く事が………。



大人にならない子供はいない。



皐は、いつか渡邊みたいな考えを持ってしまうのではないだろうか…



自分さへ良ければそれで良いと思うようになってしまうのではないだろうかと。