「葉月。」


今度は何?


「家にこいよ。帰りたくないんだろう?」

鬼の家に?


「鬼山は初めてだろう?教えてやるよ。」


「理由が分かんない。」


「分かれよ。暇なんだよ。俺は。」


夜鬼は私に手を差し出した。


「久しぶりの話し相手だ。損はさせないぞ?」


「……。」


興味があった、この山はもちろんこの男に。


もっと、もっと知りたいと思ったんだ。

私は無意識にその手を







とっていた。