「おい、なんだよこの髪?アンタ何様
のつもり?」

それはお昼ご飯の時のこと
仲良くなったアタシを含めた四人で
机をくっつけて昼食を食べていた時、
まだ転校してから見かけた事の無い
ガラの悪そうな人達に自分の髪の毛
を引っ張られていた

声をかけられると同時にクラスの皆
の目つきや顔色が変わる

この学校に来てからずっと疑問に
思っていた事

なんで皆はアタシを見たときに怯え
たのか
どうしてこんなにも雰囲気がどんよ
りしていたのか
今になってはっきりと分かった




こいつ等の存在だ





だから、皆がこんなにも怯える
雰囲気が明るくなるはずがない

でも、この怯えようは半端ない
と思う
誰も奴等を見ようとはしない
皆机に顔を突っ伏して目が合わない
様にしている
さっきまでの昼食時間の楽しい
雰囲気はどこにも無い

「おい、聞いてんのかよ?粋がってんなら
この自慢の髪の毛切っちゃいますよ?」

勝ち誇った顔
勝ち誇った言い方
六人という人数
そいつ等のどの面を見ても
ウザイ…
ウザイ…
ウザイ…
ウザイ…
てゆーか
吐き気がする

コイツ等は山姥メイクでもしてんのか
ってツッコミたくなる

今時流行ってねぇよ
キモ…

言ってあげようか
言わずに笑って馬鹿にしてあげようか

クラスの皆が心配そうにアタシを見る中
奴等のうざったい言葉をシカトしながら
一人で笑いながらどうしてあげようか
迷っていた

こいつ等を馬鹿に出来ると思うと
自然と笑いが込上げてきた