折れそうなツメを

用心しながら蓋を開けると、

薄っぺらい容器を

必要以上に握り締めてたせいで、

中身が溢れ出て、

側溝の金網に吸い込まれていく。

その錆付いた網目を見ているうち、

記憶の中の何かが

呼んでいるような気がして、

ワタシは視線を上へと移した。