英語とは、単に言葉と言ってしまえば簡単な話かもしれない。
日本語やそれ以外の言葉たちも、人が使うことによって、人と同じように生きてると誰かが言っていたような気がしたけれど、同感である。
特に最近は、流行語やインターネット上の言葉とか日常会話の一部のようで少し切り離された存在が一瞬を走馬灯のように駆け抜けていく。

日々、言葉は生まれて、育ったり育たなかったりして、枯れて、やがて存在さえも忘れられてしまったりする。

そう考えると、言葉って生き物じゃないだろうかと思えてくる。

そして、生きているからこそ、人を勇気づけたり、喜ばせたり、ときに傷つけてしまったりする。


「It is out of stock now.
 (こちらの商品はただいま品切れです。)

……うーん、簡単なようでいざってときにちゃんと出てくるか分からないわね」

リビングでお気に入りのクッションを背中に当てて、仕事終りに買ったCD付きの本を見ながら思わず呟いてしまう。

そんなに頻繁に日本語を母国語にしていない人が来店しないとは思うけれど、これと決めたら直ぐに動く私は一つでも頭に入れようと奮闘していた。


「あ、もうこんな時間じゃない」


本に熱中していて気がつかなかったが、目にした時計の針は日付が変わる12分前を指していた。