「ん?だれだ?」



夜の時間帯に人が来るのは珍しかったから、
不思議に思いながら受話器を取ると、そこから聞こえてきたのは、光輝の声だった。




「流架?オレだけど」



「光輝?」




おれはそのまま受話器を置いて、玄関まで向かった。





「どうしたんだよ?こんな時間に」



「あぁ、お前、今日の数学の課題忘れて行っただ
ろ?」




「え?マジ!?」



言われて初めて気付き、
ソファーに置いたカバンの中をあさると、確かに今日出された課題のプリントは入ってなかった。




「やべぇ!どうしよう!?」



おれは1人あたふたしていると、



「ほら」



「あー!おれのプリント!」




光輝の持っていたものは、その課題のプリント。



「わざわざ届けにきてくれたのか!?」



「まぁな。ないと困ると思って」



「うわー!サンキュー!」