それから、特に何か起きるわけでもなく
平穏に過ごしていた。




ある日の英語の授業中、おれは衝撃的なことを耳にした。




「はあぁあぁ?!補習?!!」




「そうでーす!

この間行った小テストで赤点だった人は
今日の放課後補習を受けてもらいまーす」





な、んだよそれ――?!



冗談じゃねぇ!


おれは放課後は保育園に行かないといけねぇんだ!




そんな一大事をなに笑顔で言ってんだ、このチビめがね!!
(チビめがねとは英語担当の先公で、チビでめがねで脂ぎった小峰という先公である)



「先生、見逃して?!
おれ、今日も未有の迎えに行かなきゃいけないんだよっ!」




教壇の前に進み出て、事情を告げると・・・・・・




「ん――・・・・・・、でも五十嵐くん。
君、補習受けないともう一度二年生やることになるよ?」



「げっ!」



うそだろ?


おれって、そんなに成績悪かったんだ?!