でも、まだ少し引っかかるものはあったから、

おれは未有を引き取り凛の待つ園門まで行くと、
さっきのことを凛に話してみた。




でも、凛は光輝のことをよく知らないから、光輝との関係も含めて話した。



「・・・・・・というわけなんだけど、
やっぱりそういうのって友達としては嫌なのかな?」




「・・・・・・流架くんは本当に鈍感ですね」



はぁ?!


なんでこいつまでおれをニブちん扱いするわけ?!



「なんだよ、大介もそんなこと言ってたし!
失礼なやつだなっ!」



「でも、そのお友達のことは気にしないでもいいと思いますよ?

というか、放っておいた方がいいかもしれないですね」



「え?!そうなのか?!」



「ええ。
人には触れられたくないことの1つや2つ、
あるものでしょう?」



凛の言葉に納得し、
おれはそれ以上光輝に深く追求するのはやめることにした。



「じゃあ、今日もありがとう」




「流架くん、くれぐれも深入りしちゃいけませんよ?」



玄関前で、凛が念を押すように言った。



「え?あ、うん。わかってるって」




「ならいいのですが。ではまた明日」



「お、う」



この時のおれは、光輝の思いも凛の思いも知らず、
ただ単純に考えていた。