「おはようございます、流架くん。
未有ちゃんの熱下がってよかったですね」



「あ、ありがとうございます。
未有、もう元気なのでよろしくお願いします」



「はい、気をつけて行ってらっしゃい。

・・・また、帰りに」




凛はおれだけに分かるように、耳元でそっと囁いた。




ちょ・・・?!



そんな、他の人もいる前でなに言ってんっすかこの人はっ!




「ちょ・・・っと?!」



「流架くん?遅刻しますよ?」




くっそーっ!
やっぱりこいつ、いじわるだっ!!




でも本当に学校に行かないと遅刻するので、
おれは園を出て学校まで向かった。





その日、おれは一日が終わるのが待ち遠しくて、何度も何度も時計を確認していた。



そして、ようやく放課後―――。




光輝たちが声をかけてくるのもそっちのけで、おれは即行未有の保育園へと向かった。




「ありがとうございましたー!」



「あ、流架くんおかえりなさい」



「おにーちゃーんっ!」




部屋に行くと、未有がにこにこと走り寄ってきてくれた。




凛は・・・いない。




ってことは、もうあがってんのか・・・。