その瞬間、また唇を奪われた。




「……ぁっ」



それはすぐに離れるような軽いキスだったけど、すごく満たされた気がした。




「これ以上すると我慢できなくなるから、
続きはまた今度な」



「ぅん……」




「ゆっくり休めよ、じゃあな」




そう言って、凛はおれの家を出て行った。




閉じられた扉を前に、さっきのことを頭に巡らせた。




凛に触れられた唇が、熱い―――……。



おれ、凛と恋人同士になったんだ……。



かわいい彼女……じゃなくて、
かっこいい彼氏だけど。



なんか嬉しいかも。




その夜、おれは未有と一緒に、その幸せを噛みしめながら眠った。






でも、おれはまだ知らなかった。



おれたちのこの関係が更なる波乱を巻き起こすことになるなんて―――……。